営業の教科書 > 第3章
CHAPTER 3

文面設計

売り込まない。相手の話から始める

第3章 / 全7章読了の目安 約6分
この章でわかること
  • 冒頭の3行に何を書くか
  • お願いを1つに絞ると何が変わるか
  • 協業型の文面をつくる9つの順番
約2
興味の有無だけを尋ねる文面は、商談の日程を直接依頼する文面のおよそ2倍の反応を取りました。30万通を超える分析の結果です

読み手の現実から考える

フォーム営業の文面は、相手の問い合わせ窓口に届きます。読むのは経営者か管理部門の担当者です。

そして読み手は、営業の文章だと分かった瞬間に読むのをやめる自由を持っています。最初の2行から3行で自分に関係があると思ってもらえなければ、残りは読まれません。

この前提に立つと、答えはほとんど決まります。

この章の結論

自社の紹介から始めない。相手の話から始める。

書きかけの手紙と万年筆。営業文面を一通ずつ考えて書いている机
量産の文面と、考えて書いた文面。読み手には伝わります。

原則1 冒頭は、なぜ貴社かを書く

 冒頭の書き出し
悪い例私どもは◯◯を提供する会社で、創業◯年、実績◯件
良い例◯◯業の皆様から、△△に時間がかかるというご相談を多くいただいています

冒頭に置くのは、相手の業種や事業への言及です。あるいはその業界に共通する具体的な困りごと。

たくさんの会社の中から、理由があって貴社に送っています。これが伝わる文面は、機械的な一斉送信とはっきり区別されます。

原則2 お願いは1つだけにする

海外の営業支援会社が30万通を超える営業メールを分析した調査があります。ご興味はありますかと関心の有無だけを尋ねる文面が、商談の日程を直接依頼する文面のおよそ2倍の反応を取りました。

別の調査でも、柔らかい依頼が1つだけの文面は、強い依頼の文面より好意的な返信が8割ほど多いという結果が出ています。

理由は単純です。読み手の負担が小さいからです。30分の商談を約束するのは重い決断ですが、興味がありますと一言返すのは数秒で済みます。

  1. お願いは1通に1つ。返信くださいと日程くださいを同時に頼まない
  2. 第一歩は、最小の行動に設定する。一言の返信で十分です

原則3 協業型で書く。売り込みではなく、対等の申し出

成果が出ている文面は、買ってくださいの型から、一緒に組めませんかの型へ移っています。

  1. 宛名。会社名と代表者名を書く。一斉送信ではない証拠になります
  2. 名乗り。一文だけ
  3. なぜ貴社か。相手の業種や事業への言及
  4. 協業の申し出。弊社の◯◯と貴社の事業を組み合わせられないか
  5. 相手のメリット。1つだけ
  6. 信頼材料。相手の業界に関係するものだけ。無ければ書かない
  7. お願い。ご関心の有無だけでも一言ご返信いただけますと幸いです
  8. 逃げ道。ご不要でしたら破棄いただいて構いません
  9. 署名。会社名・氏名・連絡先

全体で300字から500字。長い文面は、それだけで読まれません。

原則4 信頼材料は、相手に関係するものだけ

実績や受賞歴は、相手の業界に関係するときだけ効きます。関係のない実績を並べると、自慢と受け取られて逆効果になります。

書ける実績が無いなら、書かないのが正解です。

俺の考え

作り話だけは絶対にやめてください。一度の発覚で、会社の信用ごと失います。

営業は続けるものです。1件取るために信用を捨てたら、次からの全部が無くなります。

よくある失敗
  • 全部盛り 課題も価値も実績も全部書く。読み手は1つも覚えられません。課題と価値は1つか2つに絞ります
  • 誇張表現 業界No.1、導入すれば必ず。根拠を示せない表現は信頼を削ります
  • 感嘆符の多用と絵文字 ビジネス文書の体裁が壊れます
実践チェックリスト
  • 最初の3行に、相手の話があるか
  • お願いは1つだけか
  • 300字から500字に収まっているか
  • 根拠のない数字や実績が混ざっていないか
LeadQUESTでの実践

戦略シートから協業型の文面をAIが下書きします。AIはこの章の原則を守るように設計してあります。相手の話から始める。お願いは1つ。300字から500字。信頼材料は制限する。下書きは必ず人が確認してから保存する流れです。

この章のまとめ
  1. 自社の紹介から始めない。相手の話から始める
  2. お願いは1通に1つ。返信と日程を同時に頼まない
  3. 300字から500字。長い文面は読まれない