AIっぽい文章の正体|論文1,420万本で分かった5つの原因

どうも〜さとあつです😄
AIで作ったものを見て、なんか違うなと思ったことないですか。
文章でも、サイトでも、画像でも。悪くはない。間違ってもいない。なのに、あ、これAIだなと分かる。
俺はこれをずっとAI臭と呼んでました。
ただ、呼んでいただけで、どこがそうなのかを説明できてなかったんですよ。作ったものを見て、なんか違うから直して、としか言えない。言われたほうも困りますよね。
なので今回、全部言葉にしました。長くなります。
AIっぽいとは何なのか、一行で言うと
先に答えを書きます。
これがAI臭の正体です。
AIって、次に来る確率が一番高いものを選び続ける機械なんですよ。文章でも色でも、レイアウトでも構図でも、やっていることは同じです。
その結果、出てくるのはそのジャンルの最頻値になります。一番よくあるやつ。
最頻値は、それ単体では正しいです。間違ってない。むしろ無難で優等生。
ただ、誰か一人のために作られた形跡がない。読む人はそこを嗅いでます。嘘だから嫌なんじゃなくて、どこかで見たものしか入ってないから嫌なんです。
症状を覚えても、あんまり意味がない
AI臭の見分け方みたいな記事、探すとけっこうあります。
紫から青のグラデーション。角丸のカードが3枚きれいに並ぶ。絵文字がアイコン代わりに使われてる。全部が中央寄せ。
どれも合ってます。実際そうなってる。
でも、それを覚えても新しい症状が出てきたときに対応できないんですよ。だから今回は、その下まで下ろしました。
症状はバラバラに見えて、原因は5つしかなかったです。
| 原因 | 何が起きるか |
|---|---|
| 平均に寄る | 一番ありそうなものを出す。だから既視感がある。紫のグラデーションも、よく見るあの書体も、まず思いつくやつだから選ばれている |
| 均等に配る | 3つ並べる。全部同じ大きさにする。全部同じ重さで扱う。人間は大事なものだけ大きくして、あとは削る。AIには削る理由がない |
| リスクを避ける | 断定しない。両論を並べる。誰も傷つけない。結果として、書いた人がどこに立っているのか分からなくなる |
| 宛先がない | 誰に向けて作るかを決めないまま作れてしまう。全員向けは、誰にも刺さらない |
| 飾りがタダ | 人間は手間がかかるから飾りを削る。AIは飾るコストがゼロなので全部盛る |
ここで大事なことをひとつ。
この5つは、AIの性能が低いから起きてるんじゃないです。
むしろ賢くなるほど上手に平均へ寄って、丁寧に均等に配って、綺麗に飾ります。
つまりモデルが進化してもAI臭は勝手には消えません。消すのは使う側の仕事です。ここを勘違いすると、新しいモデルが出るたびに同じ失敗をします。
1,420万本の論文で、裏が取れていた
感覚の話に聞こえるかもしれないですけど、これ計測されてます。
ドイツのチュービンゲン大学の研究チームが、2010年以降の英語の論文の要旨を1,420万本集めて、どんな言葉が増えたかを年ごとに調べたものがあります。
結果が面白かった。
コロナが流行した2020年から2022年に増えた言葉は、ほぼ全部が中身の言葉でした。ウイルスとかワクチンとか、そういうやつです。
これは当たり前ですよね。話す中身が変わったから、言葉が変わった。
ところが2024年に増えた言葉は、ほぼ全部が言い回しの言葉だったんですよ。しかもその66%が動詞で、18%が形容詞。
・・・
つまりこういうことです。
AI臭は中身じゃなくて飾りのほうに出る。これが1,420万本ぶんのデータで裏づけられてます。
ちなみに同じ研究では、2024年の論文要旨の少なくとも10%はAIを通していると推定されてました。
tapestryが出たらAIだと判断する、と言った編集者
もうひとつ。
医学論文を調べた別の研究では、ChatGPTが出た後に特定の単語が急に跳ね上がってます。
| 単語 | 意味 | 増え方 |
|---|---|---|
| delves | 深く掘り下げる | 25.2倍 |
| showcasing | 示している | 9.2倍 |
| underscores | 強調している | 9.1倍 |
あるアメリカの編集者は、取材でこう答えてます。tapestry という単語が出てきたら、それはAIが書いたと判断する、と。
tapestry は織物のことで、いろんな要素が織りなす、みたいな使われ方をします。日本語に訳すと織りなすとか深掘りとか極めて重要なになって、そのまま日本の記事に紛れ込んでます。
あと、2025年の英語の年間ワードが何だったか知ってますか。
slopです。粗製乱造。辞書の定義は、主にAIによって大量に作られる低品質のデジタルコンテンツ。
もう辞書に載る段階まで来てるんですよ。
日本語だけに出るAIっぽさ
ここからは日本語の話です。英語の研究には出てこないけど、日本語で作っていると必ずぶつかるやつを並べます。
| 症状 | なぜ臭うのか |
|---|---|
| 前置きが長い | 結論から言うと。少しだけ説明させてください。難しい話にはしません。本題に入る前に読者の機嫌を取る文。人は本題から書く |
| いかがでしたか型 | 最後に本文をもう一度まとめる。読んだ人はもう知ってる |
| 漢字が多い | 事、時、出来る、頂く。人が書くときはひらくところを全部漢字にしてくる |
| 読点が多い | 1つの文に3つも4つも点が入る。リズムを作ろうとして息継ぎを増やした結果、かえって幼く見える |
| ダッシュで溜める | ——を挟んで、ここ重要ですよと演出する。中身が重要なら演出は要らない |
| 体系化したがる | 3つのポイント。5つのステップ。実際の経験は箇条書きの形をしてない |
| 語尾がそろう | です。ます。でしょう。同じ終わり方が続くと機械の音がする |
| 中途半端な方言 | 標準語の文章に方言を数語だけ足す。人格を足そうとして失敗してる状態 |
正直に言うと、この表は全部、俺が自分の記事で直してきたやつです。
前置きを消す。漢字をひらく。点を減らす。語尾を変える。毎回やってます。
直す前と、直した後
説明するより並べたほうが早いので、実際に直した形を出します。
並べてみると分かりますけど、直す前の文も間違ってはいないんですよ。
むしろ丁寧で、無難で、正しい。だから気づきにくい。
デザインのAIっぽさは、貼れるかどうかで分かる
次はデザインです。冒頭に挙げた症状に、さっきの原因を横に並べるとこうなります。
| 症状 | 原因 | どうするか |
|---|---|---|
| 紫から青のグラデーション | 平均に寄る | 商材に由来する色を1つ決めて、それだけ守る。なぜその色かを言えるかどうか |
| 角丸カードが3枚、等間隔 | 均等に配る | 中身の重さが違うなら、大きさも違うはず |
| 絵文字をアイコン代わりに | 飾りがタダ | 使わない。文字と罫線だけで構造は作れる |
| 全部が中央寄せ | 均等に配る | 左に揃える。仕事で使う画面はちゃんと詰める |
| 威勢はいいが中身のないコピー | 宛先がない | その商品にしか書けない言葉と数字にする |
| どこでも見る線画アイコン | 平均に寄る | アイコンを減らして、実物のデータを見せる |
| 飾りの割に実物が出てこない | 飾りがタダ | 表と数字と実際の画面を、上のほうに置く |
で、いちいち7個も覚えてられないので、判定に使える質問をひとつ作りました。
貼れるならAI臭がします。貼れないなら、その画面はその会社のものです。
これ、自分の作ったものにやると、けっこう刺さります。
うちも先月LeadQUESTのページを一度全部作り直してます。理由はまさにこれで、AIで作ったなとバレるチープさが抜けなかった。文字を変えても直らなくて、結局は構造から組み直しました。

画像のAIっぽさは、もう指じゃない
画像の話もしておきます。
AIが作った画像は指が6本ある、文字が崩れる、肌がツルツルすぎる。これ、よく言われますよね。
もう古いです。2026年の今、この3つはほぼ解決してます。
今も残ってるのは、直しにくいところです。
- 背景の小さい文字。手前の看板は綺麗になったけど、遠くの店の看板や本の背表紙は今も崩れる
- 繰り返しの模様。フェンスやレンガ、群衆の顔やキーボードの並び。同じ形が続くところでタイルが溶ける
- 光と影。影の向きがそろわない。映り込みが周りと合わない。メガネの金具が肌に溶ける
- 背景の作り込み。主役は綺麗なのに、後ろに途中で切れた物や歪んだ建物が残る
- 後ろにいる人の顔。群衆の顔が似る。同じ鼻、同じ輪郭が並ぶ
あと、これは技術じゃなくて判断の話なんですけど。
文字の入っていないサムネは、それだけでAIっぽく見えます。何の記事か分からないので、ただの画像になる。俺もここは何度も直しました。
動画は、足が地面に着いてない
動画も同じで、分かりやすい印があります。
- 足が接地しない。歩いてるのに滑る。着地の瞬間が無い
- カメラが滑らかすぎる。手ブレも歩幅の上下動も無い
- 背景がにじむ。動く人の輪郭の外側で、後ろがゆっくり形を変える
- 細かいところが震える。髪や布が1コマごとに描き直される
そしてもうひとつ、中身の話。
題材と関係ない抽象的な比喩の絵を出すと、一発でバレます。道具の話をしてるのに器や王冠やコインの絵が出てくるやつです。
これも俺がやらかして直したところで、今は題材そのものの画面を映すようにしてます。Claude Codeの話をするなら、背景は実際のターミナルの画面でいい。そのほうが伝わります。
AIっぽさを消す方法は、ひとつしかない
ここまで症状をたくさん書きましたけど、消し方は1つだけです。
言い回しを変えても消えません。禁止ワードを避けても、平均に寄ったものが平均のまま残るだけです。
これしかないです。具体的にはこの6つ。

- 自分で測った数字。16%から74%。9,000件。42時間。AIは測れない。引用しかできない
- 固有名詞と日付。いつ、どこで、誰が。ぼかした瞬間に、誰でも書ける文になる
- 失敗。AIは自分から失敗を書かない。うまくいかなかった話が入ってるだけで、書いた人が実在する
- 自分の判断。俺はこっちに賭けた、という文。正解かどうかは分からなくていい。決めた人がいることが伝わる
- 生の言葉。整えていないセリフ。整えた瞬間にAIっぽさが戻ってくる
- やめた理由。やってきたことより、やらなかったことのほうが人を映す
この記事も、AIを使って書いてます
最後に正直なところを書きます。
俺は毎日AIを使って記事を書いてるし、サムネも作ってるし、サイトも作ってます。
だからこの記事は、外からAIを批評してるわけじゃないです。毎日それで作ってる側から書いてます。
で、その立場で言うと、AI臭は道具の問題じゃないんですよ。
何を入れるかの問題です。
自分で測った数字を入れる。失敗を書く。ぼかさずに固有名詞を出す。決めたことを自分の言葉で言う。それを入れれば、AIで作っても人の顔が残ります。
逆に、入れるものが無いまま量だけ出すと、どんなに新しいモデルを使ってもslopになります。
・・・
この記事にも、上の6つは全部入れたつもりです。1,420万本という数字も、16%から74%という数字も本当です。作り直したページの話も、直す前と後の文も全部そうです。
そこだけは、これからも変えないつもりです。
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ではまた!!
